アルは一瞬耳を疑った。今、兄は、もっと、と言ったか。
「兄さん……っ」
「あ、や、ちょっ…ひぁ、ひあぁっ」
 びくっ、びくびくっ、と痙攣してエドが仰け反る。一度も触れないエド自身がみちみちに膨れ上がり、ジュースを放出する。恍惚としているはずのエドの表情はどこか辛そうで、アルは逆に激しい破壊衝動に襲われた。頭と心と肉体が付いていかない。アルは狂おしくエドを抱き締めた。
「ふぁっ」
「兄さん……」
 まだ達していないアルは動かしたくて堪らない。抜いて欲しいだろうけど、と思いつつゆっくり腰を動かすとエドが涙を零しながら首をこくこくと縦に振った。アルは内心驚きながらかき回すように捻りこむと、エドは泣き叫んで嬌声をあげる。ぎゅうぎゅうと締め付けられているのがありありと判り、そんなエドにアルの気は遠くなりかける。
「あぁっ、アルアルっ、あっ、あ」
 泣きじゃくって悦ぶエドは今まで一度も見せなかった媚びる表情をしていた。自ら腰を振り、アルを求める。アルの動き一つ一つに敏感に反応し、それに対するかすかな恥じらいさえも見て取れた。
(恋人みたいだ)
 そう思った途端、アル自身がはじけた。欲望の液体が開放されるのを感じながらアルは頭の隅で思った。自分のキーポイントは、まさしく「恋」であると。
 言葉にすら出していない。だがどうだ? 目の前のエドはそれを体現している。いわく、好きだ。愛してる。おまえでないとダメだ。おまえがいい。入れて、擦って、めちゃくちゃにされたい。アルの頭がおかしいのではない。エドの喘ぎが、仕草がそう言っているのだった。
 エドは泣きながら痙攣している。アルの腕をぎゅっと掴み、震える声で。
 今度ははっきりと、もっと、と言った。
 (たまんない……)





エドが媚薬飲みすぎたとかそういう設定でした。